プログラム概要(個々のプログラム)

第1回目 アドベンチャー教育手法による危機感知と仲間作り
 アドベンチャー教育手法を用いると、「アドベンチャー」を自然の中だけでなくもっと身近で実践することにより、人が人間として成長するための「気づき」を効果的に体験することができます。人と人との関係でもっとも大切な「人を信頼する心」は、アドベンチャーをベースとする環境で容易に作り出すことが出来ます。また危ないことを疑似体験できるため、危険への嗅覚を向上させることができます。

第2回目 登山の基礎をもう一度学び直す 戸隠表山縦走
 修験者が昔厳しい修業をしていたことで知られる戸隠連峰。戸隠神社奥社から八方睨までの行程は、鎖場の連続で険しく、蟻の戸渡りなど左右が切り立ったナイフリッジも存在します。日帰り登山で、安全に楽に山へ登るスキルを学びます。山での基本的な歩き方、休憩の取り方、登高・下降技術、鎖場の歩き方、3点確保などを実技上で練習します。

第3回目 長距離耐久サイクリング 太平洋から信濃町へ本州横断
 最初に、マウンテンバイクの基本的な操作方法を学びます。高性能マウンテンバイクは、通常の町乗り用自転車と異なり、軽量でブレーキ等が非常に良く効くように出来ています。事故防止のため、まず操作方法をしっかりと身につけた上で、ツーリングに出発します。第一日目からのツーリングでは、長距離での走り方を実地で学びます。安全に配慮して、お互いに励ましあいながら、信濃町までの道のり250kmを走ります。宿泊は基本的にキャンプで行います。山あり谷ありの行程と、夏の日差しは否応無く、子供達を鍛え上げます。帰って来た時に、走りきったその距離が、子供達の自信につながることでしょう。

第4回目 3000m級の高山を歩く 白馬三山縦走
 北アルプスの秀峰白馬岳と、それに連なる杓子岳、白馬鑓ヶ岳をあわせて、白馬三山といいます。信濃町近辺の北アルプスのビューポイントから、一番よく見える山の一つで、大雪渓と高山植物の宝庫であることで有名です。大雪渓で雪渓の登り方と注意点、狭い縦走路の歩き方、山小屋のすごし方、公共の場所でのマナー、高山の生態系について、長い下山路の対処方法などを、学びながら歩きます。宿泊は、白馬岳頂上直下の白馬山荘に泊まります。北アルプスの稜線歩きは忘れられない思い出になるでしょう。

第5回目 オーバーナイトハイキング 夜を徹して歩く
 自分の足で、夜を徹して長距離を移動することによって、自分に対する自信を育てます。登山と同じく、仲間と励ましあって完歩することによって、友情・信頼関係をより強固なものにします。黒姫高原を出発して、御巣鷹林道経由で笹ヶ峰に至り、小谷温泉までの道のりを、夜を徹して歩きます。 長距離を長時間歩くことによって、心身ともに疲労します。子供達は極限状態の自分と向き合い、それまでの生き方を振り返ります。歩き終わった時、今までの自分を超えていることに気がつくでしょう。

第6回目 アウトドア技術を徹底的に学ぶ 生命の大切さを知る
 基礎的なアウトドア技術として重要な、ロープワークを利用した実用技術、焚き火技術、ビバーク設営のスキルを徹底的に訓練します。単純な道具ほど奥が深く、頭を使わなければ使いこなせないものです。二日目は鶏を絞め、捌く技術を学びます。人間は、別の生命をいただくことによって、生きています。通常は目にすることのない、生き物の生き死に、自分の命の一部になるほかの命の様を体感することによって、食べ物に対する感謝、自然に対する感謝を実感します。その後、野外料理レシピを実践し、それを頂くことで命に感謝をささげます。

第7回目 感性を表現する 危険に備える
 刃物などの道具を使って、木や自然の中の素材を生かし、生活に役立つ道具を自分自身の手で生み出すことにチャレンジします。自然の中の素材をどう生かすか、センスを問われるところです。その後、一日目の夜から二日目にかけて、危険予知のための方法と対処法を学びます。日本赤十字社の最新の救急法を実際に学び、けがをしたときの対処法を覚えます。怪我や病気に対する対応を学ぶことによって、自然に危険に対する注意力が身につきます。また救急法を通じて、生命の大切さを学びます。

第8回目  雪中野外技術を学ぶ
 信濃町の冬で外に出る時に、必ず関わる相手が雪。スノーシューを使って雪の森に入り、雪山の基礎知識を学びます。基本的な登高下降方法、ラッセル方法、寒冷への対処法、ナビゲーション技術、雪山の楽しみ方、動植物など環境のことを学びます。いざとなった時の対処方法も学びます。

第9回目 雪の中でキャンプをする
 クロスカントリースキーを利用して、雪の野山を移動し、信濃町の冬の自然を肌で感じます。雪上でキャンプを設営し、無積雪期のそれとは違う部分の雪中生活技術を学びます。水の作り方、キャンプの設営の方法、食事の支度、寒冷への対処法を、自分たちで出来るように練習します。

第10回目 雪山を遠征する
 テレマークスキーを利用した雪山での移動技術・滑降技術を学びます。同じノルディック系のスキーでも、テレマークスキーの滑降時の安定感は、クロカンとは比べ物になりません。そのテレマークスキーを使って、雪山に遠征し、雪洞を設営して一晩泊まってきます。雪崩の基礎知識や、荒天時の対応法など雪山での実用知識を身につけます。